【書評】アドラー心理学本『嫌われる勇気』 名言・格言まとめ
それは「世界」が複雑なのではなく、ひとえに「あなた」が世界を複雑なものにしているのです。
中略
問題は世界がどうであるかではなく、あなたがどうであるか。
どうも、レックス(@complexovercome)です。
本日は、アドラー心理学本『嫌われる勇気』を書評します。
ここ数年話題の心理学者・アルフレッド・アドラー。
その哲学は非常にシンプル。
全てはあなた次第、人はたった三日で変わることができる。
私は自分のことを”社会不適合者”だと自覚していた時期がありました。
学校や職場で人と考えが合わない、自分の思ったことを発言・行動すると人と軋轢が生まれてしまう。
そんなことを何度も何年も経験していくうちに、「自分は皆と合わない人間、生きることは難しい」と考えるようになっていました。
しかし、1年前にアドラー心理学に出逢ってからその考えを改めるようになりました。
正確には今までの自分が間違っていないことに気づかされたのです。
アドラーが提唱する個人心理学を通して、複雑に考えていた世界をシンプルに考えられるようになれました。
それはアドラー心理学に書かれた本『嫌われる勇気』と出会えたからです、
本日はその『嫌われる勇気』について書評します。
もし、自分に劣等感を抱えている、過去のトラウマが原因で現状を打破できない方に参考にしてください。
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アドラーとは
アルフレッド・アドラーはオーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。
日本でアドラーはやや馴染みが薄いですが、教科書によく登場するジークムント・フロイト、カール・グスタフ・ユングと並ぶ世界的に有名な心理学者の一人です。
『嫌われる勇気』とは
内容
本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。
目次
- 第1夜 トラウマを否定せよ
- 第2夜 対人関係がすべてである
- 第3夜 他者の課題を切り捨てる
- 第4夜 あなたの居場所はどこにあるか
- 第5夜 幸福に生きる条件とは
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過去の原因ではなく、今の目的こそが大事
アドラー心理学では、トラウマは存在しません。
トラウマとは精神的外傷のことで、過去にうけた悲しい経験や辛い記憶が現在の行動に影響することです。
しかし、アドラー心理学では、このトラウマを今できないことの言い訳としています。
もし仮にトラウマが”原因”であるならば、自分と同様のトラウマ体験をした人は皆一様に同じ道を辿ることになるでしょう。
しかし、実際は克服する人もいれば、トラウマから抜け出せずにいる人もいます。
結局大事なのは”過去どうだったか”ではなく、”今自分が何をしたいか”なのです。
考えてもみれば、過去に何かがあったから出来ないことはほとんどありません。
今から頑張り始めればほとんどのことは達成可能なのに、”出来なくてもいい自分”を作り出しているに過ぎないのです。
応募しないことによって「やればできる」という可能性を残しておきたいのです。
人の評価にさらされたくないし、ましてや駄作を書き上げて落選する、という現実に直面したくない。
時間さえあればできる、環境さえ整えば書ける、自分にはその才能があるのだ、という自分の可能性のなかに生きていたいのです。
私自身も過去の自分はそうでした。
学生時代に英語が出来なかったから、自分は継続性がないから、自分はモテてこなかった人生だから….。
一般的なトラウマと言われるレベルではないものの、過去の結果に無理矢理原因を見出して今やらない言い訳を作っていました。
しかし、何歳からでも英語の習得は可能ですし、今から毎日何を続ければ継続性も身につきますし、自分を磨けば異性に好意を持ってもらうことはできます。
大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである
過去に行ったことは変えられない。
けど、過去に行ったことへの意味づけを変えることで、今を変えることは出来る。
劣等感とはやらない自分を作るための言い訳
われわれを苦しめる劣等感は客観的な事実ではなく、主観的な解釈
劣等感とは自分は人より劣っていると感じること。
勉強や仕事ができない、運動音痴、モテない、面白いことがいえない。
しかし、果たしてそうでしょうか。
あなたが抱える劣等感はどこまで客観的な事実なのでしょうか。
人は結果的には自分の主観から抜け出すことはできません。
どんな出来ことや情報も一度自分のフィルターを通ります。
その中で、事実を捻じ曲げてしまうのです。
劣等感コンプレックスとは、自らの劣等感をある種の言い訳に使いはじめた状態
アドラーは劣等感を感じることは、「変わらない理由を探しているだけ」だと言っています。
「自分には才能がない、人よりかっこよくない、過去に悲しい経験をした」と、人よりも劣っている自分を作り出すことで、結果的に「特別」であろうとしているのです。
不幸であることによって、「特別」であろうとし、不幸であるという一点において、人の上に立とうとしています。
自分は不幸だ、恵まれていないという事実が「出来なくてもしょうがない」を生み出すのです。
人が抱えやすいコンプレックスの中には、後から頑張れば変えられるものばかりですからね。
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引きこもりは人と関わらないための言い訳作り
他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に怖れているからなのです。
あなたの目的は他者との関係の中で傷つかないこと
人とのコミュニケーションで傷ついた経験を持っている人は、引きこもりになりがち。
過去の人間関係トラブルをトラウマとし、引き子ってしまうのです。
しかし、それは過去のトラウマを利用しているに過ぎません。
実際のところは、外に出て傷つかないための言い訳作りに過ぎないのです。
自分は自分、他人は他人 過干渉はお互いにとって損
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされます。
特にこの問題でトラブルになりやすいのが子育て。
進路や生き方、仕事など、親と子で必ずしも希望や理想が一致するとは限りません。
しかし、アドラーは親にとっての理想と子にとっての理想は切り離して考えるべきと主張しています。
「良い学校に進学させること」が親にとっての理想であっても、それが子にとっても理想であるとは必ずしも言い切れません。
「大学には行かずにミュージシャンになる、スポーツ選手になる」など、子は親と異なる理想を持っています。
そこに親や教師など、他者が干渉してしまうとトラブルが引き起こされます。
人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。
他人にとっての理想はあなたにとっての理想ではない。
このことを意識しなければ、対人関係の悩みはつきません。
逆にいれば、過干渉を行う人とは距離を置いた方がよいです。
そういう人は自分の理想をもとにして、あなたの理想を変えようとする可能性があるので。
まずは自分をみつめて、自分をみとめることから始まるのです。
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比較すべきは自分
理想に到達できていない自分に対し、まるで劣っているかのような感覚を抱く。
アドラーは「優越性の追求も劣等感も病気ではなく、健康で正常な努力と成長への刺激である」と語っています。
劣等感や優越感をどうしても持ってしまう人間。
しかし、アドラーは劣等感を持つことがダメなことだとは言っていません。
むしろ、その感情こそが人を成長させると説いています。
ただ、劣等感や優越感を感じてしまう人がおかしがちなのが、比較する相手です。
健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるのです。
比べるべきは自分なのです。
過去の自分よりも今の自分が成長しているのかが重要。
他者より優れているか、他人が評価してくれたかを評価基準にしてしまうと再現がありません。
体重が1ヶ月前より減っていればよいのです。
人より太っている、平均体重よりも体重が重いなどは関係ありません。
もう一度いいます。比べるべきは自分なのです。
劣等感を持つことは、捉えようによっては長所。
成長しやすい人の特徴の一つでもあったりします。
まとめ
- 過去の原因ではなく、今の目的を探す
- トラウマや過去の失敗体験は今のやらない自分を作る言い訳
- 過干渉は人間関係のトラブルのもと
- 比較すべきは自分
世の中はシンプルです。
自分が何をしたいか。
そのことを見出して”今の今から”やり始めれば自分の世界を変えることができます。
後はその勇気を持てるかが大切です。
『嫌われる勇気』では、幸福に生きる条件など、社会との最適なつながり方についても解説してあります。
興味がある方は是非ご覧になってください!
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